Gemとは何か、自分専用AIとして使えるのか 第18回

73歳からのAI挑戦|Geminiを“自分専用の相談員”にする方法

▶︎第17回「Geminiはブログ作成や調べものにどう使えるのか」

ChatGPTに「プロジェクト」や「GPTs」があるように、Geminiにも自分用に調整して使える機能があります。

それが、**Gem(ジェム)**です。

名前だけ聞くと、少し分かりにくいかもしれません。
しかし、考え方はそれほど難しくありません。

Gemとは、ひと言でいえば、**Geminiの中に作る“自分専用のAI相談員”**です。

毎回同じ説明をしなくても、あらかじめ役割や口調、目的を決めておくことで、自分の作業に合った回答をしてくれるようになります。

たとえば、ブログを書く人なら、

「私は73歳からAIに挑戦しているブログを書いています。読者はシニア層です。専門用語はやさしく説明し、文章は落ち着いた雰囲気でお願いします」

といった前提を、最初からGemに持たせておくことができます。

すると、毎回ゼロから説明しなくても、こちらの目的に沿った回答を得やすくなるのです。


Gemは、普通のGeminiと何が違うのか

普通のGeminiは、いわば総合案内所です。

調べもの、文章作成、要約、アイデア出し、翻訳など、幅広く対応してくれます。
一方で、毎回こちらが目的や条件を細かく伝えないと、回答の方向が少しずれることがあります。

Gemは、その総合案内所の中に作る専門担当者のようなものです。

たとえば、次のようなGemを作ることができます。

  • ブログ記事の構成を考えるGem
  • 文章をやさしく校正するGem
  • 自治会資料を整理するGem
  • AIニュースを初心者向けに解説するGem
  • 旅行計画を立てるGem
  • 学習を伴走するGem

つまりGemは、Geminiを「毎回その場で使うAI」から、「自分の目的に合わせて準備しておくAI」へ変える機能だと考えると分かりやすいです。

Googleの公式ヘルプでも、Gemsは繰り返しの作業や特定分野の深い支援に使える、Geminiのカスタマイズ版として説明されています。


なぜGemが便利なのか

AIを使っていて、意外と手間になるのが「毎回の説明」です。

たとえば私の場合、ブログ記事を作るたびに、

「73歳からのAI挑戦ブログです」
「読者はAI初心者です」
「シニアにも分かるように書いてください」
「冗長な表現は避けてください」
「品のある表現にしてください」

と、何度も同じような条件を伝える必要があります。

もちろん、これでもAIは使えます。
しかし、記事を何本も書いていくと、この繰り返しがだんだん負担になります。

Gemを使えば、こうした基本条件をあらかじめ設定できます。

これは、料理でいえば、毎回材料を一から説明するのではなく、
「いつもの味付けでお願いします」
と言える状態に近いです。

AIを本格的に使い続けるには、この「いつもの前提」を持たせられるかどうかが、とても大事になります。


自分専用AIとは、何でも覚えてくれるAIではない

ここで注意したいことがあります。

Gemを「自分専用AI」と表現すると、まるで自分のことを何でも覚えてくれる秘書のように感じるかもしれません。

しかし、実際には少し違います。

Gemは、あらかじめ設定した役割や指示に従って回答する仕組みです。
つまり、こちらが与えた方針に沿って動く「専門担当者」に近いものです。

「私の過去のすべてを理解して、勝手に判断してくれる存在」ではありません。

ここを誤解すると、期待が大きくなりすぎます。

Gemは万能の記憶装置ではなく、目的別に動かしやすくしたGeminiです。

だからこそ、最初にどんな役割を与えるかが重要になります。


どんなGemを作ると実用的か

私のようにブログや自治会活動にAIを使いたい場合、最初から難しいGemを作る必要はありません。

まずは、使う場面がはっきりしているものから作るのがよいと思います。

たとえば、ブログ用なら次のようなGemが考えられます。

1. ブログ構成アドバイザーGem

記事タイトルを入れると、見出し構成、読者の悩み、導入文、まとめ方を提案してくれるGemです。

これは、記事を書く前の設計に役立ちます。

ブログは、いきなり本文を書き始めるより、先に構成を固めた方が読みやすくなります。
特にAI初心者向けの記事では、話の順番がとても大事です。

2. 文章校正Gem

書いた記事を読み直し、冗長な表現、重複、分かりにくい説明を直してくれるGemです。

私のブログでは、単に短くするだけではなく、
「テンポは良く、表現は上品に、必要なところは専門的に」
という調整が必要になります。

このような文体の方針をGemに入れておけば、校正のたびに同じ説明をしなくて済みます。

3. AI初心者向け解説Gem

難しいAI用語を、シニア世代にも分かるように説明してくれるGemです。

たとえば、RAG、AIエージェント、プロンプト、API、クラウド、Gem、GPTsなど、AIには分かりにくい言葉がたくさんあります。

これらを専門家向けではなく、生活や仕事に引き寄せて説明してくれるGemがあると、ブログ記事の質が上がります。

4. 自治会DX相談Gem

自治会の資料作成、行事計画、役員向け説明、行政への提案文書などを整理するGemです。

自治会活動は、実はAIとの相性が良い分野です。
なぜなら、行事、会計、回覧、名簿、報告書、挨拶文など、毎年似たような作業が繰り返されるからです。

Gemを使えば、そうした繰り返し作業の相談役を作ることができます。


Gemを作るときに大事なこと

Gemを作るときに大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。

AIの設定というと、難しい命令文を書かなければならないと思いがちです。
しかし、まずは普通の日本語で十分です。

たとえば、ブログ校正用Gemなら、次のように書けばよいのです。

「あなたは、73歳からAIに挑戦しているブログの編集者です。読者はAI初心者やシニア層です。文章をやさしく、品よく、読みやすく整えてください。冗長な表現や重複は削り、必要なところは少し専門的な表現も加えてください。ただし、難しすぎる文章にはしないでください。」

これだけでも、Gemの方向性はかなり定まります。

Googleのヘルプでも、Gemを作る際には名前を付け、従わせたい指示を書く流れが案内されています。作成後はプレビューして保存する、という基本手順になっています。


GemはChatGPTのGPTsと似ているのか

GeminiのGemは、ChatGPTでいうGPTsに近い考え方です。

どちらも、AIに役割を与えて、自分の目的に合わせて使いやすくする機能です。

ただし、使い勝手や得意分野は少し違います。

ChatGPTのGPTsは、文章作成、相談、企画、分析などで非常に使いやすい印象があります。
一方でGeminiのGemは、Googleのサービスとの相性や、調べもの、情報整理とのつながりに期待できます。

どちらが上というより、目的によって使い分けるのが現実的です。

ブログ作成の本格的な編集にはChatGPT。
Google検索やGoogle関連の情報整理を含めた相談にはGemini。
そのGeminiを目的別に使いやすくするのがGem。

このように整理すると、位置づけが見えやすくなります。


73歳からのAI活用にGemは必要か

では、私のように73歳からAIに挑戦する人にとって、Gemは必要なのでしょうか。

結論から言えば、最初から必須ではありません。

まずは普通のGeminiを使い、質問や調べものに慣れることが先です。
その上で、同じ作業を何度も繰り返すようになったら、Gemを作る価値が出てきます。

たとえば、次のように感じ始めたら、Gemを使うタイミングです。

「毎回同じ説明をしている」
「ブログの文体をそろえたい」
「自治会資料の相談を毎回同じ条件で行いたい」
「AIニュースを自分向けに分かりやすく整理したい」
「調べものの答え方を、自分の目的に合わせたい」

この段階になれば、Gemはかなり役に立ちます。

つまりGemは、AI初心者が最初に覚える機能というより、AIを継続的に使う人が、作業を安定させるための機能だと言えます。


Gemを使うと、AIが仕事の道具に近づく

AIを初めて使うとき、多くの人は質問をして答えをもらうだけです。

もちろん、それだけでも便利です。

しかし、AIの本当の価値は、単発の質問だけではありません。

自分の仕事、活動、学習、発信に合わせて、継続的に使える形に整えていくことです。

Gemは、その入口になります。

たとえば、ブログを書く人にとっては編集者。
自治会活動をする人にとっては資料整理係。
AIを学ぶ人にとっては家庭教師。
文章が苦手な人にとっては添削者。

このように、自分の目的に合わせてAIの役割を決められるところに、Gemの面白さがあります。


ただし、Gemに任せきりにしてはいけない

便利な機能ではありますが、Gemに任せきりにするのは危険です。

AIは、もっともらしい文章を作るのが得意です。
しかし、内容が必ず正しいとは限りません。

特に、制度、料金、法律、最新ニュース、医療、投資などに関わる内容は、必ず確認が必要です。

また、ブログを書く場合も、AIが作った文章をそのまま出すだけでは、自分の経験や温度が薄くなります。

私のブログで大事なのは、単にAIの機能を紹介することではありません。
73歳から実際に使い、戸惑い、試し、学んでいる過程を伝えることです。

Gemは、その作業を助けてくれる存在です。
しかし、最後に何を語るかは、自分で決める必要があります。


まず作るなら「ブログ校正Gem」がおすすめ

私が最初に作るなら、やはり「ブログ校正Gem」です。

理由は明確です。

ブログは、継続するほど文章の質と統一感が大切になるからです。

毎回、記事ごとに文体が大きく変わると、読者は少し違和感を持ちます。
反対に、読みやすさ、語り口、構成の考え方がそろっていると、ブログ全体に信頼感が出ます。

たとえば、ブログ校正Gemには次のような役割を与えます。

「この記事を、73歳からAIに挑戦している人のブログとして校正してください。読者はAI初心者です。重複を減らし、テンポを良くし、品のある表現に整えてください。専門用語は必要な場合だけ使い、必ずやさしく説明してください。」

これなら、今後の記事作成にすぐ使えます。

Gemは、いきなり高度なAIシステムを作るものではありません。
まずは、自分が何度も行う作業を、少し楽にするところから始めればよいのです。


まとめ:Gemは、自分の作業を覚えさせるための入口

Gemとは、Geminiを自分の目的に合わせて使いやすくする機能です。

普通のGeminiが総合窓口だとすれば、Gemは専門担当者です。

ブログ用、校正用、自治会用、学習用、調べもの用。
このように目的ごとに分けておくことで、AIはより実務に近い道具になります。

ただし、Gemは何でも自動で覚えてくれる万能秘書ではありません。
あくまで、こちらが与えた役割や方針に沿って動くAIです。

だからこそ、最初に大切なのは、難しい設定ではなく、
「このAIに、何を手伝ってほしいのか」
をはっきりさせることです。

AIは、使えば使うほど、自分の仕事や暮らしに近づいてきます。

Gemは、そのための小さな一歩です。
自分専用のAI相談員を作るという感覚で、まずは一つ、試してみる価値は十分にあります。

▶︎第19回「NotebookLMは自治会資料整理に使えるのか」

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