GPTsを作る前に決めておくこと 第12回

目的・資料・知識ファイル・注意点を整理する

▶︎第11回「GPTsとは何か、ブログや自治会でどう使えるのか」

前回の記事では、GPTsとは何か、ブログや自治会活動にどのように使えるのかを紹介しました。

GPTsは、自分の目的に合わせて使える「専用のChatGPT」のようなものです。

たとえば、ブログ記事の下書きを手伝ってくれるGPT。
自治会の資料を整理してくれるGPT。
文章を読みやすく直してくれるGPT。
会議資料や案内文のたたき台を作ってくれるGPT。

このように、目的に合わせて作れば、日々の作業をかなり助けてくれます。

ただし、ここで大切なのは、いきなり作り始めないことです。

GPTsは便利な機能ですが、何をさせたいのかが曖昧なまま作ると、答えも曖昧になります。
反対に、作る前に少し整理しておくと、使いやすいGPTsになります。

今回は、GPTsを作る前に決めておきたいことを、初心者にも分かるように整理してみます。


1. まず決めるのは「何のために使うか」

GPTsを作る前に、最初に考えるべきことは、名前でも機能でもありません。

一番大切なのは、目的です。

たとえば、次のような目的が考えられます。

ブログ記事の構成を考える。
投稿前の文章を校正する。
自治会の行事資料を整理する。
会議の案内文を作る。
高齢者にも分かりやすい説明文に直す。
AI学習の記録をまとめる。

ここで欲張りすぎると、かえって使いにくくなります。

「ブログも書く、自治会資料も作る、SNSも考える、メールも直す、画像の指示も考える」

このように何でも入れたくなりますが、最初は一つの目的に絞った方がよいです。

たとえば、
「ブログ記事を書くGPT」
だけでは、まだ少し広すぎます。

もう少し絞るなら、
「73歳からのAI挑戦ブログの記事構成を考えるGPT」
の方が明確です。

さらに具体的にするなら、
「シニア読者にも分かりやすく、専門用語をやさしく説明しながら、品のよいブログ原稿を作るGPT」
となります。

ここまで目的がはっきりすると、GPTsに与える指示も自然に決まってきます。


2. 誰に向けて答えるGPTsなのかを決める

次に決めたいのは、誰に向けた回答を作るのかということです。

同じテーマでも、相手によって説明の仕方は変わります。

AIについて説明する場合でも、相手が次のように違えば、言葉の選び方も変わります。

AIを初めて使うシニア世代。
WordPressを始めたばかりの人。
自治会役員。
行政や公民館の担当者。
企業の実務担当者。
ブログ収益化を目指す初心者。

GPTsは、ただ情報を出すだけではありません。
「どの立場の人に、どの温度感で答えるか」を決めておくことで、ぐっと使いやすくなります。

たとえば、自治会向けGPTなら、
「高齢の役員にも分かるように、専門用語を避け、実務に使える形で説明する」
という指示が有効です。

ブログ向けGPTなら、
「読者に寄り添いながらも、冗長にならず、品のよい文章でまとめる」
という方向が合います。

GPTsは、優秀な助手のようなものです。
しかし、助手に仕事を頼むには、まず「誰に向けた仕事なのか」を伝える必要があります。


3. どんな文体にするかを決める

GPTsを作るときは、文章の雰囲気も決めておくと便利です。

たとえば、ブログ記事であれば、次のような文体があります。

やさしく親しみやすい文章。
少し知的で落ち着いた文章。
実務的で簡潔な文章。
読者に語りかけるような文章。
専門的だが、難しすぎない文章。

私のブログであれば、単に「初心者向け」にするだけでは足りません。

「73歳からAIに挑戦している実感を大切にする」
「不安や戸惑いも書くが、苦労話だけにしない」
「軽妙さはあっても、品のよさを失わない」
「専門用語は使っても、必ず分かりやすく説明する」

このように文体の方向を決めておくと、記事全体に統一感が出ます。

ブログは、記事が増えるほど、文章の雰囲気が大切になります。
GPTsを使う場合も、自分のブログらしさを守るために、文体のルールを決めておくことが必要です。


4. GPTsに参考にさせる資料を決める

GPTsでは、必要に応じて資料を入れて使うことができます。

ここでいう資料とは、GPTsに参考にしてほしい情報のことです。

ブログ用GPTなら、次のような資料が考えられます。

ブログ全体の企画書。
記事ロードマップ。
これまでに書いた投稿記事。
プロフィール文。
読者像のメモ。
文章のトーンや表現ルール。
よく使う見出し構成。

自治会用GPTなら、次のような資料が考えられます。

自治会規約。
年間行事予定。
過去の総会資料。
会計資料。
行事ごとの案内文。
議事録の過去例。
防災や敬老会などの資料。

ここで大切なのは、何でも入れればよいわけではないということです。

資料が多すぎると、GPTsがどれを重視すればよいのか分かりにくくなることがあります。
古い資料、重複した資料、内容が整理されていない資料を入れると、回答も乱れやすくなります。

資料は、多ければよいのではありません。
大切なのは、目的に合った資料を、使いやすく整理して入れることです。


5. 知識ファイルは「整理してから入れる」

GPTsに入れる資料の中でも、特に大切なのが知識ファイルです。

知識ファイルとは、GPTsが回答の参考にするための資料です。
PDF、Word、テキスト、表などの形で用意した情報を、GPTsに持たせることができます。

ただし、ここでも注意が必要です。

古い資料と新しい資料が混ざっている。
同じ内容の資料が何種類もある。
表記が統一されていない。
途中までしか書かれていない。
個人情報が多く含まれている。

このような状態のまま入れると、GPTsは誤った情報をもとに答える可能性があります。

特に自治会資料では、年度や日付が重要です。

令和5年度の資料なのか。
令和6年度の資料なのか。
過去の案内文なのか。
今年使う正式な案内文なのか。
検討中の案なのか。
すでに決定した資料なのか。

これを区別しておかないと、GPTsは古い情報を現在の情報のように扱ってしまうことがあります。

知識ファイルを入れる前には、次のように整理しておくとよいです。

ファイル名に年度を入れる。
「案」と「決定版」を区別する。
古い資料は別フォルダに分ける。
個人情報は必要に応じて削除する。
重複資料はできるだけまとめる。
重要な資料から優先して入れる。

GPTsは、資料を読む力はあります。
しかし、資料を整理する責任は、基本的に人間側にあります。

ここを丁寧に行うと、GPTsの回答の質はかなり変わってきます。


6. GPTsにさせること、させないことを決める

GPTsを作るときは、「何をさせるか」だけでなく、「何をさせないか」も決めておく必要があります。

たとえば、自治会用GPTなら、次のような線引きが必要です。

公式決定の代わりはしない。
個人情報をむやみに扱わない。
会計処理の最終判断は人間が行う。
法律や行政判断は専門機関に確認する。
不明な点は推測せず、確認を促す。

ブログ用GPTなら、次のような注意点があります。

事実確認が必要な情報は断定しない。
他人の記事をそのまま真似しない。
誇大表現を使わない。
収益化をあおりすぎない。
自分の経験と一般論を区別する。

GPTsは便利ですが、万能ではありません。

文章を整える。
資料を要約する。
構成を考える。
案内文のたたき台を作る。
読者に分かりやすい表現に直す。

こうした作業には、とても向いています。

一方で、最終判断、責任のある決定、個人情報の扱い、法的判断、金銭に関わる重要判断などは、人間が確認する必要があります。

GPTsは「任せきる相手」ではありません。
仕事を支えてくれる相棒として使うのが、最も現実的です。


7. 最初から完璧なGPTsを作ろうとしない

GPTsを作ると聞くと、最初から完成度の高いものを作らなければならないように感じます。

しかし、最初から完璧に作る必要はありません。

むしろ、最初は小さく作って、使いながら直していく方がよいです。

たとえば、ブログ用GPTなら、最初は次のような役割だけでも十分です。

記事タイトルと見出し構成を考える。
下書きを読みやすく校正する。
読者に分かりにくい専門用語をやさしく説明する。

この程度から始めても、十分に役立ちます。

自治会用GPTでも、最初からすべての資料を入れる必要はありません。

まずは、
「案内文を作る」
「議事録を整理する」
「行事の準備リストを作る」
といった実務に絞ると始めやすくなります。

使ってみると、足りないことが分かります。

説明が長すぎる。
文体が硬すぎる。
資料の参照が弱い。
もっと簡潔に答えてほしい。
確認事項を先に出してほしい。

このような気づきをもとに、GPTsの指示を少しずつ直していけばよいのです。

GPTsは、一度作って終わりではありません。
使いながら育てていくものです。


8. GPTs作成前の簡単チェックリスト

最後に、GPTsを作る前に確認したい項目をまとめます。

目的

このGPTsは何のために使うのか。
ブログ用なのか、自治会用なのか、文章校正用なのか。

利用者

誰が使うのか。
自分だけなのか、役員も使うのか、読者向けの内容を作るのか。

対象者

誰に向けた文章や回答を作るのか。
シニア向けなのか、自治会役員向けなのか、行政担当者向けなのか。

文体

やさしい文章にするのか。
実務的にするのか。
品のよいブログ調にするのか。

資料

どの資料を参考にさせるのか。
古い資料や重複資料は整理されているか。

知識ファイル

ファイル名、年度、決定版か案かが分かるようになっているか。
個人情報や不要な情報が入っていないか。

注意点

断定してはいけないことは何か。
人間が最終確認すべきことは何か。

使い始め方

最初から大きく作るのではなく、小さな目的から試せるか。

このチェックをしてからGPTsを作ると、失敗しにくくなります。


まとめ

GPTsは、作る前の整理で使いやすさが決まる

GPTsは、ChatGPTを自分の目的に合わせて使いやすくするための便利な機能です。

しかし、便利だからこそ、最初の整理が大切です。

何をさせたいのか。
誰に向けて使うのか。
どんな文体にするのか。
どんな資料を入れるのか。
どこまで任せて、どこから人間が確認するのか。

これらを決めておくことで、GPTsはただの便利機能ではなく、自分の活動を支えてくれる実務的な道具になります。

ブログであれば、自分らしい文章を安定して作る助けになります。
自治会であれば、資料作成や行事準備の負担を減らす助けになります。
AI学習であれば、自分の理解を深める伴走役になります。

大切なのは、最初から大きなものを作ろうとしないことです。

まずは、小さく作る。
実際に使う。
不便なところを直す。
必要な資料を少しずつ整える。

この流れで十分です。

GPTsは、作って終わりではありません。
自分の経験や資料を反映しながら、少しずつ育てていくものです。

次回は、実際に「ブログ用GPTs」と「自治会用GPTs」をどのように考えればよいのか、具体的な設計例として整理していきます。

▶︎第13回「ブログ用GPTs・自治会用GPTsを実際に考えてみる」

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