まずは「自分専用の小さな助手」を作るところから
前回の記事では、GPTsを作る前に決めておくこととして、目的、使う資料、知識ファイル、注意点について整理しました。
今回は、いよいよ具体例に入ります。
GPTsというと、少し難しいものに感じるかもしれません。
しかし、最初から大きな仕組みを作ろうとしなくても大丈夫です。
大切なのは、
「自分が何に困っているのか」
「どんな作業を手伝ってもらいたいのか」
をはっきりさせることです。
GPTsは、万能の機械を作るというより、自分専用の小さな助手を作る感覚に近いと思います。
たとえば、ブログを書く人なら、記事づくりを手伝ってくれるGPTs。
自治会活動をしている人なら、案内文や総会資料を整えてくれるGPTs。
文章を書く機会が多い人なら、冗長な文章を読みやすく整えてくれるGPTs。
このように考えると、GPTsは少し身近なものになります。
1. ブログ編集GPTsを考えてみる

まず、私自身の活動に一番近い例として、ブログ用GPTsを考えてみます。
ブログを書いていると、意外とやることが多いことに気づきます。
テーマを決める。
記事の構成を考える。
見出しを作る。
本文を書く。
読みやすく校正する。
メタディスクリプションを考える。
アイキャッチ画像の文字案を作る。
これを毎回一人で考えるのは、なかなか大変です。
そこで、ブログ編集GPTsを作っておくと便利です。
ブログ編集GPTsの目的
このGPTsの目的は、ブログ記事の作成を最初から最後まで支援することです。
ただし、単に文章を書いてもらうだけではありません。
私のブログの方向性、読者層、文体、記事の流れを理解したうえで、記事づくりを支えてもらうことが大事です。
たとえば、私のブログであれば、
「73歳からのAI挑戦ブログ」
「AIを学び始めたシニア世代の体験」
「ChatGPTやブログ運営を、同じ初心者目線で伝える」
「難しい専門用語はかみ砕いて説明する」
「品よく、前向きで、押しつけがましくない文章にする」
という方向性があります。
このような前提をGPTsに持たせておくと、毎回同じ説明をしなくても、ブログに合った記事作成を手伝ってくれるようになります。
ブログ編集GPTsに入れたい指示文の例
GPTsを作るときは、「このGPTsは何をする役割なのか」を指示文として書きます。
たとえば、次のような指示文が考えられます。
あなたは「73歳からのAI挑戦ブログ」の編集アシスタントです。
読者は、AIやブログに関心はあるものの、まだ不安や戸惑いを感じているシニア世代や初心者です。
難しい専門用語はできるだけわかりやすく説明し、経験者が上から教えるのではなく、一緒に学んでいく姿勢で文章を整えてください。
記事を作成するときは、タイトル案、導入文、見出し構成、本文、まとめ、メタディスクリプション、アイキャッチ画像の文字案まで提案してください。
文章は、冗長になりすぎず、読みやすく、品のある表現にしてください。
このように書いておくと、GPTsの役割がはっきりします。
単に「ブログ記事を書いてください」と頼むよりも、
「誰に向けたブログなのか」
「どんな文体にしたいのか」
「どこまで支援してほしいのか」
を決めておくことが重要です。
ブログ編集GPTsに入れたい知識ファイル
ブログ用GPTsに入れる知識ファイルとしては、次のようなものが考えられます。
- ブログ企画書
- 記事ロードマップ
- これまでに公開した記事
- プロフィール文
- カテゴリー方針
- よく使う文体や表現のメモ
- アイキャッチ画像の方針
- 読者像をまとめた資料
特に大事なのは、ブログ企画書と記事ロードマップです。
これがあると、GPTsは単発の記事ではなく、ブログ全体の流れを意識して提案しやすくなります。
2. 自治会資料GPTsを考えてみる
次に、自治会活動で使うGPTsを考えてみます。
自治会活動では、文章作成や資料づくりがとても多くあります。
総会資料。
行事案内。
予算説明。
役員会資料。
住民向けのお知らせ。
引き継ぎ資料。
行政や公民館への提案書。
こうした資料は、毎年必要になります。
しかも、内容は似ていても、年度や行事ごとに少しずつ変わります。
そこで、自治会資料GPTsを作っておくと、かなり実務に役立つ可能性があります。
自治会資料GPTsの目的
自治会資料GPTsの目的は、自治会活動に必要な文書を、わかりやすく、正確に、丁寧に整えることです。
自治会の文書は、ブログとは違います。
親しみやすさも必要ですが、それ以上に、誤解がないこと、読み手に失礼がないこと、事実関係が整理されていることが大事です。
たとえば、行事案内であれば、
いつ行うのか。
どこで行うのか。
誰が対象なのか。
参加費はあるのか。
持ち物は何か。
雨天時はどうするのか。
問い合わせ先はどこか。
こうした情報を抜けなく整理する必要があります。
また、総会資料や予算説明では、数字や年度の扱いにも注意が必要です。
GPTsに任せきりにするのではなく、最後は人間が確認する前提で使うことが大切です。
自治会資料GPTsに入れたい指示文の例
自治会資料GPTsの指示文は、ブログ用とは少し違います。
たとえば、次のような指示文が考えられます。
あなたは、自治会活動を支援する資料作成アシスタントです。
総会資料、行事案内、予算説明、役員会資料、住民向けのお知らせ、引き継ぎ資料、行政・公民館向けの提案書を、わかりやすく整理してください。
文章は、住民の方が読んでも理解しやすく、丁寧で落ち着いた表現にしてください。
数字、日付、年度、役職名、行事名については、勝手に作らず、資料にある情報をもとにしてください。
不明な点がある場合は、推測で断定せず、「確認が必要な点」として整理してください。
住民向け、役員向け、行政向けなど、読み手に応じて表現を調整してください。
自治会用では、特に
勝手に事実を作らないこと
確認が必要な点を分けること
が重要になります。
ブログ記事であれば多少表現を広げることもありますが、自治会資料では事実の正確さが優先です。
自治会資料GPTsに入れたい知識ファイル
自治会資料GPTsには、次のような資料が考えられます。
- 自治会の年間行事予定
- 総会資料
- 予算書・決算書
- 行事案内の過去資料
- 役員名簿や役割分担表
- 引き継ぎ資料
- 防災・敬老会・祭りなどの行事資料
- 自治会規約
- 行政や公民館への提案書
ただし、ここで注意が必要です。
個人情報が含まれる資料をそのまま入れる場合は、慎重に扱う必要があります。
氏名、住所、電話番号、金額、個別の事情などが含まれる資料は、不要な部分を削除したり、必要最小限に整理したりすることが望ましいです。
自治会用GPTsは便利ですが、地域の情報を扱う以上、情報管理の意識が欠かせません。
3. 文章校正GPTsを考えてみる
三つ目の例として、文章校正GPTsを考えてみます。
これは、ブログにも自治会にも使える汎用的なGPTsです。
文章を書いていると、自分では気づかないうちに、同じ表現を繰り返していたり、少し説明が長くなりすぎたりすることがあります。
また、気持ちが入るほど、文章が重くなったり、読み手に伝わりにくくなったりすることもあります。
そんなときに、文章校正GPTsがあると便利です。
文章校正GPTsの目的
文章校正GPTsの目的は、書いた文章を読みやすく整えることです。
たとえば、
- 冗長な表現を短くする
- 重複した内容を整理する
- 語尾の繰り返しを直す
- 失礼のない表現にする
- 品のある文章に整える
- 読み手に合わせてやわらかくする
- 必要に応じて少し専門的な表現を加える
このような使い方ができます。
特にブログでは、読みやすさが大切です。
自治会文書では、丁寧さと誤解のなさが大切です。
文章校正GPTsは、その両方に役立ちます。
文章校正GPTsに入れたい指示文の例
たとえば、次のような指示文が考えられます。
あなたは、文章を読みやすく整える校正アシスタントです。
入力された文章について、意味を変えずに、冗長な表現や重複を整理してください。
必要に応じて、品のよい表現、自然な言い回し、読み手に伝わりやすい構成に整えてください。
ただし、書き手の思いや個性は消しすぎないでください。
修正後の文章に加えて、必要な場合は「どこを直したか」も簡単に説明してください。
ここで大事なのは、
「意味を変えない」
「書き手の個性を消しすぎない」
ということです。
AIに文章を整えてもらうと、きれいにはなります。
しかし、整いすぎて、その人らしさが薄くなることもあります。
そのため、文章校正GPTsには、単にきれいな文章にするだけでなく、書き手の温度を残すという指示を入れておくとよいと思います。
4. ブログ用GPTsと自治会用GPTsは何が違うのか
ここまで、ブログ用GPTs、自治会用GPTs、文章校正GPTsを考えてきました。
では、ブログ用と自治会用では、何が違うのでしょうか。
大きな違いは、目的と読み手です。
ブログ用GPTsは、読者に興味を持ってもらうことが大切です。
そのため、導入文、見出し、体験談、共感、読みやすさが重要になります。
一方、自治会用GPTsは、関係者に正しく伝えることが大切です。
そのため、事実、日付、数字、役割、手順、確認事項が重要になります。
ブログ用では、多少やわらかい表現や体験談が効果を持ちます。
自治会用では、あいまいな表現や推測は避けた方がよい場面があります。
つまり、同じGPTsでも、使う場所によって性格が変わります。
ブログ用GPTsは、編集者に近い存在です。
自治会用GPTsは、事務局の補佐に近い存在です。
文章校正GPTsは、文章を整える伴走者に近い存在です。
この違いを意識すると、GPTsを作る目的がはっきりしてきます。
5. 最初に作るなら、どのGPTsがよいか
では、最初に作るなら、どのGPTsがよいのでしょうか。
私なら、まずは「文章校正GPTs」から始めるのがよいと思います。
理由は、使う場面が多いからです。
ブログにも使えます。
自治会文書にも使えます。
メールにも使えます。
提案書にも使えます。
しかも、文章校正GPTsは、比較的作りやすいGPTsです。
大量の資料を入れなくても、自分の好みの文体や修正方針を指示文に入れるだけで、すぐに使い始めることができます。
次に作るなら、ブログを書いている人はブログ編集GPTs。
自治会活動に関わっている人は自治会資料GPTs。
この順番が現実的だと思います。
最初から完璧なGPTsを作る必要はありません。
使いながら、少しずつ指示文を直し、知識ファイルを追加し、より自分に合った助手に育てていけばよいのです。
6. GPTsは「作って終わり」ではなく「育てるもの」
GPTsを作るときに、忘れてはいけないことがあります。
それは、GPTsは作って終わりではないということです。
最初に作ったGPTsは、まだ未完成です。
実際に使ってみると、思った通りに答えてくれないこともあります。
表現が硬すぎることもあります。
逆に、くだけすぎることもあります。
必要な確認をせずに、先へ進んでしまうこともあります。
そのときは、指示文を少し直します。
「もっと簡潔に」
「住民向けには丁寧に」
「専門用語は説明を添える」
「不明点は確認事項として分ける」
「ブログでは体験談を少し入れる」
このように調整していくことで、GPTsは少しずつ使いやすくなります。
これは、人に仕事を頼むときと似ています。
最初から完璧に伝わることは少ない。
しかし、何度かやり取りを重ねることで、こちらの意図を理解してくれるようになります。
GPTsも同じです。
自分の仕事や活動に合わせて、少しずつ育てていくものだと思います。
7. GPTsを作る前に、紙に書き出してみる

実際にGPTsを作る前に、まず紙やメモに書き出してみることをおすすめします。
次の四つだけでも十分です。
1つ目は、何のために使うGPTsか。
2つ目は、誰に向けた文章や資料を作るのか。
3つ目は、どんな作業を手伝ってほしいのか。
4つ目は、参考にしてほしい資料は何か。
これを書くだけで、かなり整理されます。
たとえば、ブログ編集GPTsなら、
目的は、ブログ記事作成の支援。
読者は、AIに関心のあるシニア世代や初心者。
作業は、記事構成、本文作成、校正、メタディスクリプション作成。
資料は、ブログ企画書、記事ロードマップ、過去記事。
自治会資料GPTsなら、
目的は、自治会文書の作成支援。
読者は、住民、役員、行政、公民館関係者。
作業は、案内文、総会資料、提案書、引き継ぎ資料の整理。
資料は、過去の総会資料、行事案内、予算書、自治会規約。
このように書き出すと、GPTsの形が見えてきます。
まとめ
自分の活動に合ったGPTsを考える
GPTsは、難しい技術として考えるより、日々の作業を助けてくれる「自分専用の助手」と考えるとわかりやすくなります。
ブログを書く人には、ブログ編集GPTs。
自治会活動には、自治会資料GPTs。
文章を書く機会が多い人には、文章校正GPTs。
大事なのは、最初から完璧なものを作ろうとしないことです。
まず一つ、小さなGPTsを作ってみる。
実際に使ってみる。
使いながら直していく。
その積み重ねで、GPTsは少しずつ自分の活動に合ったものになっていきます。
AIは、人間の代わりにすべてを決めるものではありません。
しかし、目的を決め、資料を整え、役割を与えることで、かなり心強い相棒になります。
ブログでも、自治会でも、まずは身近な作業から始めてみる。
そこに、GPTs活用の第一歩があると思います。

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