ChatGPTのプロジェクトは何に使えるのか 第10回

― 73歳からのAI挑戦で、作業を迷子にしないために ―

▶︎第9回「ChatGPTでブログ記事を書くときの頼み方」

ChatGPTを使い始めたころ、私は一つひとつの質問に答えてもらうだけで十分に便利だと思っていました。

文章を直してもらう。
ブログの見出しを考えてもらう。
わからない言葉を説明してもらう。
メールの文面を整えてもらう。

それだけでも、私にとっては大きな驚きでした。

ところが、しばらく使っているうちに、別の問題が出てきました。

「あのとき相談した内容はどこにあったか」
「ブログの企画書はどのチャットで作ったか」
「自治会DXの資料は、どこまで整理したか」
「前に決めた方針を、もう一度説明しないといけないのか」

ChatGPTは便利なのに、使えば使うほど、会話が増えていきます。
会話が増えると、今度は自分の頭の中が整理しきれなくなってきます。

そこで重要になるのが、ChatGPTの「プロジェクト」という機能です。

プロジェクトとは、作業ごとの部屋である

私なりにわかりやすく言えば、ChatGPTのプロジェクトとは、作業ごとに専用の部屋を作る機能です。

たとえば、私の場合なら、次のように分けることができます。

「73歳からのAI挑戦ブログ」
「自治会DX・AI活用」
「SNS動画づくり」
「クラウドワークス応募」
「AI学習ノート」

普通のチャットは、一回一回の相談です。
一方、プロジェクトは、継続して進める仕事や学習をまとめておく場所です。

部屋の中には、そのテーマに関係する会話、資料、方針、文章づくりの流れを集めておくことができます。

つまり、ChatGPTに毎回最初から説明しなくても、同じテーマの中で作業を続けやすくなるのです。

なぜプロジェクトが必要なのか

ChatGPTを少し使うだけなら、プロジェクトはなくても困らないかもしれません。

しかし、ブログを何本も書く。
自治会の資料を整理する。
AIの勉強を続ける。
SNS展開まで考える。

このように作業が広がってくると、普通のチャットだけでは限界が出てきます。

私自身も、ブログ、自治会、AI学習、画像作成、WordPress、Codexなど、相談する内容がどんどん増えてきました。

すると、ChatGPTとの会話が便利である一方で、会話そのものが散らばってしまうのです。

プロジェクトは、その散らばりを防ぐための「整理棚」のような役割を持っています。

プロジェクトに入れておくと便利なもの

プロジェクトには、そのテーマでよく使う情報をまとめておくと便利です。

たとえば、ブログ用のプロジェクトなら、次のようなものです。

ブログの企画書。
記事ロードマップ。
読者像。
文章のトーン。
使うキャラクターの方針。
過去の記事タイトル。
これから書く記事の予定。

自治会DXのプロジェクトなら、自治会の課題、行事資料、予算資料、提案書、AI活用の方針などが入ります。

ここで大切なのは、何でもかんでも入れることではありません。
そのプロジェクトで何度も使う情報を入れることです。

資料庫のように全部を詰め込むのではなく、作業に必要な資料を選んで入れる。
この考え方が大事だと思います。

私のブログづくりでは、どう使えるか

このブログで考えるなら、プロジェクトは非常に役に立ちます。

たとえば、私は「73歳からのAI挑戦ブログ」という大きなテーマで記事を書いています。

最初の記事では、なぜ73歳からブログを始めるのかを書きました。
次に、ChatGPT Plusの価値、AI学習の発見、AIは経験を引き出す相棒であること、WordPressへの挑戦などを書いてきました。

ここでプロジェクトを使うと、記事全体の流れを保ちやすくなります。

前の記事で何を書いたか。
今回の記事では何を深めるか。
同じ話の繰り返しになっていないか。
読者に何を持ち帰ってもらうか。

こうしたことを、ChatGPTと一緒に確認しながら進めることができます。

プロジェクトは、単に文章を保存する場所ではありません。
ブログ全体の方向性を保つための、編集室のようなものです。

自治会DXでは、もっと力を発揮する

私が特に期待しているのは、自治会DXでの活用です。

自治会の仕事は、毎年同じように見えて、実際には多くの資料と判断が必要です。

総会資料。
予算案。
行事計画。
役員名簿。
回覧文。
防災資料。
敬老会や作品展の案内。
過去の反省点。

これらを人の記憶だけで管理するのは大変です。

区長や役員が交代すると、前年度までの経緯がわからなくなることもあります。
「あの行事は去年どうしたか」
「予算はどのくらいだったか」
「案内文はどんな表現だったか」

こうした情報を、プロジェクトに整理しておけば、ChatGPTに相談しながら資料作成がしやすくなります。

もちろん、個人情報や外に出してはいけない情報の扱いには注意が必要です。
しかし、公開してよい資料、一般的な行事計画、文章のたたき台づくりには、大きな可能性があります。

プロジェクトはRAGそのものではない

ここで一つ、私自身が混乱しやすかった点があります。

それは、プロジェクトとRAGの違いです。

RAGとは、外部の資料やデータを参照しながらAIが回答する仕組みのことです。
自治会の大量資料をAIで活用したいと考えると、このRAGという言葉が出てきます。

では、ChatGPTのプロジェクトが、そのまま本格的なRAGなのか。

私の理解では、プロジェクトは「本格的なRAGシステム」というより、ChatGPTの中で資料や会話を整理して使いやすくする機能です。

つまり、プロジェクトは、RAGに向かう前の実践的な第一歩と考えるとわかりやすいと思います。

いきなり難しい仕組みを作るのではなく、まずはプロジェクトで資料を整理し、AIと一緒に使う経験を積む。
その先に、必要であればDifyや他の仕組みを使った本格的なRAGを考える。

この順番のほうが、私のような初心者には現実的です。

プロジェクトを使うときの注意点

便利なプロジェクトですが、注意点もあります。

第一に、プロジェクトを増やしすぎないことです。

便利だからといって、細かく分けすぎると、今度はどのプロジェクトを使えばよいかわからなくなります。

最初は、三つくらいで十分だと思います。

ブログ用。
自治会DX用。
AI学習用。

このくらいから始めると、混乱しにくいです。

第二に、プロジェクト名をわかりやすくすることです。

「新しいプロジェクト」
「テスト」
「無題」

このような名前が増えると、あとで自分が困ります。

「73歳からのAI挑戦ブログ」
「ひろせ町自治会DX」
「AI学習ノート」

このように、見ただけで中身がわかる名前にしておくことが大切です。

第三に、資料を入れる前に整理することです。

古い資料、重複した資料、途中のメモ、完成版の資料が混ざると、ChatGPTも判断しづらくなります。

プロジェクトは、魔法の箱ではありません。
入れる前に、人間が少し整理することが必要です。

初心者は、まず何をすればよいか

私のように、まだAIを学びながら使っている人は、最初から難しく考えなくてよいと思います。

まず一つ、専用のプロジェクトを作る。
そこに、自分が続けたいテーマを入れる。
そして、その中でChatGPTに相談する。

これだけで十分です。

たとえば、ブログを書きたい人なら、プロジェクト名を「ブログ作成」とします。
そこに、ブログのテーマ、読者像、書きたい記事の一覧を入れます。

そして、ChatGPTにこう頼みます。

「このプロジェクトの方針に従って、次の記事の構成を考えてください」
「前の記事と重複しないように、今回の記事を書いてください」
「初心者にもわかる表現に直してください」

このように使うと、ChatGPTが単なる相談相手から、継続的な編集パートナーに変わっていきます。

プロジェクトは、AIとの作業机である

私は、ChatGPTのプロジェクトを「AIとの作業机」だと考えています。

机の上に、必要な資料を置く。
今やっている仕事を広げる。
前回の続きから始める。
不要なものは片づける。

よい作業机があると、仕事は進めやすくなります。

反対に、机の上が散らかっていると、せっかくの道具も使いこなせません。

ChatGPTのプロジェクトも同じです。
AIが優秀かどうかだけでなく、人間がどう整理して使うかが大切です。

73歳からでも、作業は整理できる

若いころからパソコンに慣れている人なら、こうした機能もすぐに理解できるのかもしれません。

しかし、私のように73歳から本格的にAIやブログに取り組む者にとっては、ひとつひとつが新しい学びです。

最初は、プロジェクトという言葉だけでも難しく感じます。
どこに何を入れるのか。
普通のチャットと何が違うのか。
GPTsやRAGとはどう違うのか。

わからないことだらけです。

それでも、少しずつ使っていくと見えてきます。

プロジェクトとは、AIを使いこなすための整理の仕組みである。
自分の活動を継続するための土台である。
ブログや自治会活動を、行き当たりばったりにしないための作業場所である。

そう考えると、プロジェクトは決して難しいだけの機能ではありません。

まとめ

ChatGPTのプロジェクトは、単なる保存場所ではありません。

テーマごとに会話や資料をまとめ、継続した作業を進めやすくするための場所です。
ブログづくりでは、記事全体の流れを保つ編集室になります。
自治会DXでは、資料作成や行事運営を支える作業部屋になります。
AI学習では、学んだことを積み上げるノートになります。

私にとってプロジェクトは、73歳からのAI挑戦を迷子にしないための道具です。

ChatGPTに一回質問して終わるのではなく、同じテーマで何度も相談し、少しずつ形にしていく。
そのための場所が、プロジェクトなのだと思います。

AIは、使い方を間違えなければ、年齢に関係なく私たちの力になります。
そしてプロジェクトは、そのAIの力を、自分の仕事や学びに結びつけるための大切な入り口です。

これからAIを使ってブログを書きたい人、地域活動を整理したい人、学び直しを始めたい人には、まず一つ、自分専用のプロジェクトを作ってみることをおすすめしたいと思います。

小さな作業部屋を作る。
そこから、AIとの本当の共同作業が始まります。

▶︎第11回「GPTsとは何か、ブログや自治会でどう使えるのか」

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