OGURA AI Lab 第1次自動化プロジェクト実践記録
生成AIを使って文章を書くことは、すでに珍しいことではありません。
しかし、記事の文章をAIに書かせることと、ブログ記事の制作という仕事をAIに任せることは、同じではありません。
ブログ記事を1本公開するまでには、情報収集、テーマ選定、過去記事との重複確認、構成、本文、事実確認、SEO、画像、WordPressへの入力など、多くの作業があります。
さらに公開後には、SNSへの展開、AI Weeklyでの紹介、読者の反応の確認、次の記事への改善もあります。
私は2026年9月23日に公開した記事で、OGURA AI Labのブログ運営を、生成AIによってどこまで半自動化できるか、実際に試していくことをお伝えしました。
▶ ブログ運営は生成AIでどこまで自動化できる? ChatGPT・Work・Codexで実際に試してみる
今回は、その構想を実際の仕事に移す最初の記録です。
ただし、いきなりAIに記事本文を書かせたわけではありません。
最初に行ったのは、ブログ記事制作という大きな仕事を、小さな作業に分けることでした。そして、その作業のどこをAIに任せ、どこを人間が判断するのかを決めました。
この記事では、単に「AIを使って記事を作りました」と報告するのではなく、
- AIを動かすための指示書を、どのように作ったのか
- ブログ記事制作を、どのように小さな仕事へ分けたのか
- Work、Codex、人間の役割を、どのように整理したのか
- 実際に最初の2工程を動かして、何が分かったのか
を、初めての人にも分かるように説明します。
この記事の読み方
この記事は少し長くなります。そのため、目的に合わせて読む場所を選べるようにしました。
- 全体像を知りたい方は「ブログ自動化の全体像」へ
- 実際に何をしたのか知りたい方は「最初の2工程をWorkへ任せてみた」へ
- 自分の仕事に応用したい方は「自分の仕事をAIに任せるための5つの質問」へ
- 実際に使える形が欲しい方は「簡易指示書のひな型」へ
【編集メモ:公開時にページ内リンクを設定】
ブログ自動化の全体像
私が最初に考えていたのは、「ブログ記事制作の負担を、生成AIによって減らせないか」ということでした。
しかし、この段階ではまだ、具体的な仕事になっていません。
「ブログを自動化したい」
「記事制作をAIに任せたい」
これだけでは、何を、どの順番で、どこまで進めればよいのかが分かりません。人間同士の仕事でも、「適当に進めておいて」と言われただけでは、担当者は困ります。AIも同じです。
そこで、次の順番で仕事を具体化しました。
【図解1 自動化したいという希望を実行できる仕事に変える流れ】



自動化したいという希望
↓
目的と対象範囲を決める
↓
AIへの指示書を作る
↓
大きな仕事を小さな作業に分ける
↓
AIが一つずつ実行する
↓
途中で人間が確認する
↓
承認されたら次の工程へ進む
↓
結果を記録して次回改善する
この流れで重要なのは、AIに全部を一度に任せないことです。
AIに任せる作業と、人間が判断する場所を先に決めておけば、AIが意図しない方向へ進んだときにも、途中で止めて修正できます。
最初は「ブログを自動化したい」という希望だけだった
OGURA AI Labの記事制作では、これまでChatGPTと相談しながらテーマを考え、構成を作り、本文を修正してきました。
しかし、記事を1本作るたびに、同じような確認や設定を繰り返しています。
過去の記事と重複していないか。
記事の内容は読者に役立つか。
SEOタイトルやスラッグは適切か。
アイキャッチ画像は記事の内容と合っているか。
SNSやAI Weeklyへ、どうつなげるか。
こうした作業を、毎回その場で考えていると、作業の抜けや迷いが生じます。
そこで、最初に「OGURA AI Lab 記事1本分の標準作業手順書」を作りました。
これは、記事の企画から公開後の評価までを、毎回同じ流れで進めるための手順書です。
私はこの手順書を一人で最初から完成させたわけではありません。
私がブログ運営で行っている作業、AIに任せたい作業、人間が確認したい作業を示し、AIと対話しながら整理しました。
つまり、AIを動かす前に、AIと一緒に仕事の仕組みを作ったことになります。
自分の仕事に置き換えてみる
皆さんの仕事にも、「毎回行っているが、手順がはっきり書かれていない仕事」はないでしょうか。
まずは、その仕事を一つ選び、
- 何のために行っているのか
- どこから始まり、どこで終わるのか
- 毎回どのような作業をしているのか
を書き出すことが、自動化の出発点になります。
Workへの指示書をどう作ったか
手順書を作っただけでは、Workは動きません。
次に必要なのは、「今回は、この手順書のどこを実行してほしいのか」を伝える指示です。
私は今回、次のような内容をWorkへ伝えました。
プロジェクトの情報源に登録した「OGURA AI Lab 記事1本分の標準作業手順書」を参照し、最初の記事制作を開始してください。
実証テーマ候補は、「ブログ記事制作はAIにどこまで任せられるか―OGURA AI Lab 第1次自動化プロジェクト実践記録」です。
ただし、現段階では記事本文を書かないでください。
まず、手順書の「情報収集」と「テーマ選定」だけを実行してください。
さらに、既存記事との重複、新しく伝えられる実体験、読者への実用性、SNSの入口、AI Weeklyへのつなぎ方、次の記事への展開などを整理し、最後にA・B・Cで判定するよう指示しました。
この指示には、次の6つの要素が入っています。
| 指示の要素 | 今回伝えた内容 |
|---|---|
| 目的 | 最初の記事制作を開始する |
| 使用する資料 | 標準作業手順書と既存記事 |
| テーマ候補 | ブログ記事制作の自動化実践記録 |
| 実行する作業 | 情報収集とテーマ選定 |
| 実行しない作業 | 記事本文の作成 |
| 完成条件 | 必要項目を整理し、A・B・Cで判定する |
特に大切だったのが、
現段階では記事本文を書かないでください。
という一文です。
AIには「何をしてほしいか」だけでなく、「今回は何をしないか」「どこで止まるか」も伝える必要があります。
もし、この停止条件を入れなければ、AIが情報収集から記事本文まで一度に作ってしまい、人間が途中で判断する場所が見えなくなる可能性があります。
指示書とは、AIへの仕事票である
「指示書」と聞くと、難しい書類を想像するかもしれません。
しかし、簡単に言えば、AIへの仕事票です。
人に仕事を頼むときにも、
- 何をしてほしいのか
- どの資料を使うのか
- いつまでに、どの状態にするのか
- 途中で誰が確認するのか
を伝えます。
AIへの指示書も、基本は同じです。
大切なのは、特殊なプロンプトの技術ではありません。仕事の目的、材料、手順、完成条件を整理することです。
ブログ記事制作を12の仕事に分けた
標準作業手順書では、ブログ記事制作を次の12工程に分けました。
- 情報収集
- テーマ選定
- 既存記事との重複確認
- 記事構成
- 本文作成
- 事実確認
- SEO設定
- 画像準備
- WordPress公開準備
- SNS完成データ作成
- AI Weekly原稿作成と配信準備
- 公開後の評価と改善
12工程を一度に見ると、複雑に感じるかもしれません。
そこで、まずは次の5つにまとめると分かりやすくなります。
| 大きな区分 | 含まれる仕事 |
|---|---|
| 企画 | 情報収集、テーマ選定、重複確認 |
| 記事制作 | 構成、本文、事実確認 |
| 公開準備 | SEO、画像、WordPress下書き |
| 展開 | SNS、AI Weekly |
| 改善 | 公開後の評価と次回への反映 |
大きな仕事を、小さな仕事に分けることを「タスク分解」または「タスクばらし」と呼びます。
ただし、言葉を覚えることが目的ではありません。
大切なのは、仕事を途中で確認できる大きさに分けることです。
「ブログ記事を作ってください」と一度に任せるのではなく、
「まず情報を集めてください」
「次にテーマを提案してください」
「人間がテーマを承認したら、構成を作ってください」
と順番に進めれば、途中で方向を修正できます。
【図解2 5つの大区分と12工程の関係】
自分の仕事に置き換えてみる
たとえば、「会議資料を作る」という仕事も、一つの作業ではありません。
目的の確認、資料収集、議題整理、原稿作成、数字の確認、体裁調整、上司の承認というように分けられます。
「自治会のお知らせを作る」という仕事も、内容確認、日時確認、対象者確認、文案作成、誤字確認、印刷、配布というように分けられます。
このように考えると、どの部分をAIに任せられるかが見えやすくなります。
Work、Codex、人間の役割をどう分けたか
今回の手順書では、役割を次のように整理しました。
Workに任せること
- 情報を集める
- 過去記事と比較する
- テーマ候補を整理する
- 記事構成や原稿案を作る
- チェック項目や改善案を作る
Codexに任せること
- ファイルを整理する
- データや形式を機械的に点検する
- 必要に応じて連携用の処理を作る
- 技術的な確認や修正を支援する
人間が判断すること
- そのテーマを本当に扱うか
- 自分の経験として何を伝えるか
- 読者に役立つ内容になっているか
- 記事、画像、SNSの品質が十分か
- 公開、投稿、配信を実行するか
ここで大切なのは、すべての工程でWorkとCodexの両方を使うわけではないことです。
今回の「情報収集」と「テーマ選定」では、技術的な処理は必要ありませんでした。そのため、Codexの出番はありませんでした。
AIを活用するというと、使える機能をすべて使いたくなります。しかし、必要のない場面で無理に使う必要はありません。
仕事に合わせて、必要な担当だけを使うことも役割分担です。
【図解3 Work・Codex・人間の役割と承認位置】
最初の2工程をWorkへ任せてみた
今回、Workに任せたのは、次の2工程です。
- 情報収集
- テーマ選定
Workは、標準作業手順書と2026年9月23日の既存記事を確認し、今回のテーマとの重複を整理しました。
その結果、テーマの方向は適切だが、そのままでは既存記事と重なって見えるため、
B 内容を修正して採用する
という判定を出しました。
9月23日の記事では、自動化に取り組む理由、Work・Codex・人間の役割、自動化したい工程などをすでに説明しています。
したがって、今回も同じ説明を繰り返すだけでは、新しい記事にする意味がありません。
そこで今回は、
- 構想ではなく、実際に手順書を使った記録にする
- AIに任せた作業と、人間が判断した作業を分ける
- 成功だけでなく、迷いや修正も記録する
- 読者が自分の仕事へ応用できる形にする
という方向へ修正しました。
私は、この判定と方向性を承認しました。
これで、テーマ選定は完了したはずでした。
しかし、ここでもう一つ、重要な問題に気づきました。
「実行しました」だけでは、初心者には分からない
Workが最初に示した案は、実践記録としては整理されていました。
しかし、「Workに指示した」「仕事を12工程に分けた」と書くだけでは、初めて読む人には分かりにくいと感じました。
なぜ12工程に分けたのか。
そもそも、指示書はどう作ったのか。
AIとどのような相談をしたのか。
自分の仕事なら、どこから考えればよいのか。
こうした説明がなければ、知識のある人には分かっても、初めてAIへ仕事を任せる人には再現できません。
そこで私は、次の修正を求めました。
- 指示書の作り方を説明する
- タスク分解の考え方を説明する
- 図解を入れる
- 実践記録と初心者向け説明を結び付ける
- 読者が自分の仕事を考える問いを入れる
- 長い記事でも、目的の場所へ移動できるようにする
この指摘によって、記事の構成は大きく変わりました。
ここに、人間が判断する意味があったと思います。
AIは、資料を読み、比較し、論理的に整理することができます。
一方で、「この説明で初めての人に本当に伝わるだろうか」「読者が自分の仕事に置き換えられるだろうか」という判断には、発信者自身の経験と読者への理解が必要です。
AIが初稿を作り、人間が誤字を直すだけではありません。
人間が記事の目的と読者価値を見直し、AIへ修正を指示する。これも、AIと人間の役割分担です。
今回分かったことと、まだ分からないこと
最初の2工程を動かした段階で、分かったことがあります。
現時点で分かったこと
- 手順書を情報源として、AIに作業の進め方を示せる
- AIは、既存記事と新しいテーマの重複を整理できる
- AIは、読者への実用性や次の記事への展開案を提案できる
- AIは、テーマの採用、修正、不採用の判定案を出せる
- 実行範囲と停止条件を指定すれば、工程を区切って進められる
- 最終的なテーマと説明方法は、人間の判断によって修正される
一方、まだ分からないことも多く残っています。
まだ分からないこと
- 本文作成にかかる時間を、実際に短縮できるか
- AIを使っても記事の品質を維持できるか
- WordPressの下書きまで安全に任せられるか
- Codexがどの工程で、どの程度役立つか
- SNSやAI Weeklyまで一貫して進められるか
- 自動化によって生まれた時間を、本当に重要な仕事へ使えるか
まだ実行していないことを、「できる」とは書けません。
今回のプロジェクトでは、成功したことだけでなく、うまくいかなかったこと、説明不足だったこと、時間がかかったことも記録します。
自分の仕事をAIに任せるための5つの質問
今回の経験は、ブログだけに限ったものではありません。
会議資料、報告書、メールマガジン、自治会文書、研修資料、SNS投稿などにも応用できます。
自分の仕事をAIに任せられるか考えるときは、まず次の5つの質問を使ってください。
1 毎回繰り返している仕事は何か
一度だけ行う仕事よりも、何度も繰り返している仕事の方が、手順を整理する効果があります。
2 その仕事は、どんな小さな作業で構成されているか
最初から最後までを一つの仕事として考えず、調査、作成、確認、承認などに分けます。
3 AIに任せられそうな作業はどれか
情報整理、比較、原案作成、形式確認など、判断の前段階にある作業から試します。
4 人間が判断しなければならない場所はどこか
目的、経験、相手への配慮、品質、公開の可否などは、人間が判断する必要があります。
5 AIをどこで止めて確認するか
すべてを一度に実行させず、テーマ、構成、本文、公開などの節目で止めます。
この5つに答えるだけでも、自分の仕事をAIへ任せるための基本設計が見えてきます。
簡易指示書のひな型
最後に、今回の経験を基にした簡易指示書を示します。
難しい専門用語は必要ありません。空欄を埋めることで、最初の指示を作れます。
【目的】
今回、何を完成させたいですか。【使用する資料】
AIに参照してほしい資料は何ですか。【AIに任せる作業】
今回、AIに実行してほしい作業は何ですか。【AIに任せない作業】
今回は実行してほしくないことは何ですか。【完成条件】
どのような状態になれば、その作業は完了ですか。【人間が確認する場所】
どの段階で、人間が内容を確認しますか。【停止条件】
今回は、どこまで進んだら止めますか。
最初から完璧な指示書を作る必要はありません。
一度動かしてみて、AIが迷った部分や、自分が確認しにくかった部分を直します。手順書も指示書も、使いながら改善していくものです。
AIに任せる前に、仕事の仕組みを見直す
今回、OGURA AI Labの第1次自動化プロジェクトで最初に行ったのは、記事本文をAIに書かせることではありませんでした。
最初に行ったのは、ブログ記事制作という仕事を整理し、AIに任せる作業と、人間が判断する作業を分けることでした。
AIによる自動化というと、ボタン一つで仕事が完成する姿を想像しがちです。
しかし、実際には、
- 仕事の目的を決める
- 大きな仕事を小さく分ける
- AIへ渡す資料を決める
- 完成条件を決める
- 人間が確認する場所を決める
- 実行結果を見て改善する
という準備が必要です。
この準備は手間にも見えます。
しかし、一度仕組みを作れば、次の記事でも同じ流れを使えます。そして、使うたびに問題点を見つけ、手順を改善できます。
自動化は、人間が何もしなくなることではありません。
AIに任せられる作業をAIへ渡し、人間は、目的、経験、品質、読者への伝わり方を判断する。
今回の最初の実践から見えてきたのは、そのような役割分担でした。
このプロジェクトは、まだ始まったばかりです。
次は、承認した構成を基に、記事本文の作成をAIへ任せます。
AIがどこまで書けるのか。
人間はどこを修正する必要があるのか。
本当に作業時間を減らせるのか。
実際の制作過程と結果を、引き続き記録していきます。
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