AIは勉強してから使うものではない

――「欲しいものを作りながら覚える」AI学習法

生成AIを使うためには、まずAIについて勉強しなければならない。

そう考えている人は少なくないと思います。

プロンプトの書き方、生成AIの仕組み、モデルの違い、新しい機能。

確かに、こうした知識は大切です。

しかし、実際にAIを仕事や生活の中で使っていくと、別のことにも気づきます。

AIの知識を増やすだけでは、仕事はそれほど変わらない。

逆に、AIについてそれほど詳しくなくても、

「この仕事のどこに時間がかかっているのか」

「何を整理すればAIに任せられるのか」

「どこは人間が判断しなければならないのか」

を考えられる人は、AIをかなり実践的に使えるようになります。

つまりAI活用には、

AIを知ることと、自分の仕事を知ること。

この二つが必要なのです。


「AIを覚える」ことを目的にしない

たとえばChatGPTを使えるようになりたいと思ったとします。

そこで、

「プロンプトを勉強しよう」

「生成AIの仕組みを理解しよう」

と始める方法もあります。

もちろん、それ自体は間違いではありません。

しかし、もう一つの方法があります。

それは、

自分が実際に必要としているものを一つ作ってみることです。

例えば、

  • 会議案内を作る
  • メールを整理する
  • 長い資料を要約する
  • 業務手順を整理する
  • 報告書のたたき台を作る
  • 自治会のお知らせを作る
  • 企画の骨組みを考える

といった仕事です。

ここで大切なのは、「AIの練習問題」をするのではなく、実際の仕事を題材にすることです。

するとAIへの質問も変わってきます。


AIに聞く前に、「仕事」を整理する

例えば「会議案内を作ってください」とAIに頼めば、文章は出てきます。

しかし、それだけでは、自分が本当に欲しいものにならないことがあります。

そこで考えてみます。

誰に出す案内なのか。

目的は何なのか。

何を必ず伝えなければならないのか。

どのくらいの文章量が適切なのか。

どんな表現なら相手に伝わりやすいのか。

これらを整理してAIに渡すと、結果はかなり変わります。

つまり、AIを使う過程で、

自分自身が仕事の目的や条件を整理することになる。

ここにAI活用の重要なポイントがあります。

AIは単に「文章を作ってくれる道具」ではありません。

仕事そのものを整理するきっかけにもなるのです。


AI活用は「プロンプト技術」だけではない

生成AIについて学んでいると、「良いプロンプトを書くこと」が重視されることがあります。

もちろん指示の仕方は重要です。

しかし実際の仕事では、それだけでは十分ではありません。

たとえば、ある説明資料を作る仕事を考えてみます。

AIに、

「分かりやすい資料を作ってください」

と指示するだけでは、良い成果物にならないことがあります。

まず、

誰が使うのか。

どんな場面で使うのか。

何を間違いやすいのか。

作業の順序はどうなっているのか。

どこに判断が必要なのか。

例外は何か。

といった情報を整理する必要があります。

これはAIの知識というより、業務そのものを理解する力です。

そして整理した情報をAIに渡して、

「利用する人に合わせて説明を分ける」

「手順を短く整理する」

「不足している情報を指摘させる」

「表現のばらつきをそろえる」

といった使い方をする。

ここまで来ると、AI活用は単なる文章作成ではありません。

業務改善や情報整理の道具になってきます。


AIを使うと、仕事の見直しが始まる

これは企業の仕事だけではありません。

たとえば自治会の行事案内でも同じです。

昨年の文書をコピーして、日付だけ変えて配布する。

これでも仕事はできます。

しかしAIを使うなら、

「毎年どこを修正しているのか」

「どんな問い合わせが多いのか」

「読んだ人が迷いやすい点はどこか」

「必要な情報が一目で分かるか」

を一度整理できます。

するとAIに、

「問い合わせが減るように、必要事項を整理してください」

「重要な情報を最初にしてください」

「前年の内容と比較して、不足している項目を挙げてください」

と頼めるようになります。

仕事の種類や規模は違っても、本質は同じです。

AIを使うことで、今まで当たり前に行っていた仕事を見直す。

ここに、AI活用の大きな価値があります。


「一発で完成させる」から「改善する」へ

生成AIを使い始めると、つい一回の質問で良い答えを出そうとしてしまいます。

しかし、実務ではその必要はありません。

むしろ、

たたき台を作る

問題を見つける

条件を追加する

修正する

実際に使う

という流れの方が自然です。

例えばAIに作ってもらった文章を読んで、

「少し長い」

「対象者が曖昧」

「重要な情報が後ろにある」

「表現が専門的すぎる」

と感じたとします。

そこで、

「最初に結論を書いてください」

「初心者でも分かる表現にしてください」

「専門用語には説明を付けてください」

「重要事項を表にしてください」

と修正を依頼します。

こうしたやり取りの中で、AIの使い方だけではなく、

自分が何を重要だと考えているのか

も明確になっていきます。


もう一段進むと、「自分の型」ができる

AIをある程度使っている方には、ここが特に重要です。

毎回その場でChatGPTに質問して、答えをもらって終わっていないでしょうか。

もし毎週同じような仕事をしているなら、良かったやり方を残しておくと、AI活用は一段進みます。

例えば、

「会議案内を作るときの情報項目」

「報告書を整理するときの順序」

「資料を確認するときのチェックポイント」

「ブログ記事を書くときの構成」

などです。

つまり、

AIへの質問を保存するだけではなく、仕事の進め方そのものを型にしていく。

すると次回からは、ゼロから考える必要がなくなります。

AI活用が「その場の便利な道具」から、

仕事の標準化や再利用につながる仕組み

へ変わっていきます。


AI学習を5段階で考えてみる

私は、AIを実践的に学ぶ流れを次のように考えています。

1.知る

AIに何ができ、何が苦手なのかを知る。

2.作る

自分が本当に必要としているものを作ってみる。

3.直す

AIの回答を見て、条件を足し、改善する。

4.使う

完成したものを実際の仕事や生活で使う。

5.型にする

うまくいった方法を残し、次の仕事で再利用する。

重要なのは、ここで終わらないことです。

実際に使った結果、

「もっと簡単にできないか」

「この作業もAIに任せられないか」

「そもそもこの仕事は必要なのか」

と考える。

ここから業務改善が始まります。


AIを学ぶことと、仕事を改善することはつながっている

生成AIの時代になると、「AIの専門知識を持つ人だけが有利になる」と思われることがあります。

もちろん専門知識が必要な仕事もあります。

しかし、多くの仕事ではそれだけではありません。

AIについて詳しくても、自分の仕事を理解していなければ、何をAIに任せればよいのか分かりません。

反対に、仕事には詳しくても、AIで何ができるのかを知らなければ、新しい改善方法に気づけません。

だから必要なのは、

AIの知識 × 仕事の理解

です。

そして、この二つを結びつけるのが、

実際に作ってみること

なのだと思います。


今日、AIで一つだけ仕事を改善してみる

AIを勉強しようと思ったとき、最初から大きなことを始める必要はありません。

今日行った仕事を一つ思い出してください。

そしてAIに、こう聞いてみてください。

今日、私は○○という仕事をしました。
もっと効率よく、分かりやすく行う方法がないか、一緒に整理してください。
まず、この仕事について私に確認すべきことを質問してください。

ここから始めるだけでも構いません。

AIに答えを求めるのではなく、

AIと一緒に仕事を整理する。

この使い方ができるようになると、AIは単なる検索や文章作成の道具ではなくなります。

自分の仕事を見直し、改善していくためのパートナーになっていきます。


OGURA AI Labから

AIを学ぶ目的は、AIについて詳しくなることだけではありません。

大切なのは、

AIを使って、今までの仕事や生活を少し良くすること。

そのためには、

AIを知る。

自分の仕事を知る。

実際に使う。

結果を見て直す。

良かった方法を残す。

この循環が大切です。

AIは勉強してから使うものではない。
使いながら学び、仕事を整理し、少しずつ改善していく。

OGURA AI Labでは、これからもAIの新しい機能を紹介するだけではなく、

「それを実際の仕事や生活でどう使うのか」

までを考えていきます。

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